2017 101234567891011121314151617181920212223242526272829302017 12

スポンサーサイト

-------- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ホツマツタエのおもしろ記事125『機の織法』

2013-06-09 22:53
ホツマツタエのおもしろ記事(125)  機の織法


ホツマツタエ23章『衣定め 剣名の文』全文解釈 その4


『我 見るに 人気は変る 驕りがち 減りには難ぐ 故 機の 織法 定む』

  • 『人気 (ひとい)』人の意識・思い。「い (謂・気・意)」は「目には見えないが存在するもの・形なきエネルギー」を言う。
  • 『変る (かわる)』は「かふ (離ふ)」から派生した動詞で、「離れる・異なる・反る・曲る・回る」などの意。
  • 『驕りがち (おごりがち)』「おごる」は「おこる (熾る・怒る)」「あがる (上がる)」「ほこる (誇る)」の変態で「高まる・勢いづく・調子に乗る」などの意。
    「がち」は「かつ (離つ)」の名詞形で「離れ・それ・曲り・傾き」などの意。「かた (方・片・傾)」や「かぢ (舵)」の変態。よって「おごりがち」は「驕るに傾くさま」の意。
  • 『減り (へり)』は「へる」の名詞形。「へる」は「める (減る)」「ある (粗る)」「おる (下る)」などの変態で、「下る・低まる・劣る・衰える」などの意。
  • 『難ぐ (かたぐ)』辞書には無い動詞だが、「硬くなる」の意。ここでは「減りに対して硬くなる・減り難い・減りにくい」などの意。
  • 『機 (はた)』は「はつ」の名詞形。「はつ」は「あつ (当つ)」「まつ (交つ)」などの変態で「合わす・交える」などの意。よって「はた」は「(経緯を) 交差したもの」の意。
  • 『織法 (おりのり)』機織りについて則るべき事。「おる」は「よる (寄る・撚る)」の変態で「合わす・交える」の意。「のり (則・典・範・法・憲)」は「乗るべきもの・則るべきもの」の意。
  • 『定む (さだむ)』は「さす (差す)」+「たむ (留む)」の合成で、どちらも「合わす・まとめる・調える・固める」などの意。
  • 我が見るに、人の意識は変わる。驕りがちで低まりにくい。故に機の織法を定めたのである。


『結の幅 経糸 八百垂 筬 四百歯 八十垂 一算 八垂 一手 綜杭に揃え 粗筬に 撒き 筬に入れ かざり 掛け 陰陽 踏み 分けて 杼 投ぐる 筬 巡らせて 木綿・布も 絹も織るなり』

  • 『結 (ゆふ)』は「ゆふ (結う)」がそのままの形で名詞化したもの。「結ったもの」「機・織物」の意。
  • 『垂 (り)』「たり (垂り)」が縮まったもの。経糸 (たていと) の本数を数える単位。
  • 『筬 (をさ)』経糸を「押えるもの・収め束ねるもの」の意。
    【筬】をさ -広辞苑より- 
    織機の付属具。経糸の位置を整え、緯糸を織り込むのに用いる。竹の薄い小片を櫛の歯のように列ね、長方形の框に入れたもの (竹筬) であったが、今は鋼または真鍮製の扁平な針金で製したもの (金筬) を用いる。
  • 『算 (よみ)・手 (て)』機の幅を表す単位。1算=10手=80垂。
  • 『綜杭 (へぐい)』経台(へだい) の両端に多数植え付けた高さ20糎くらいの竹製又は木製の棒杭。これに経糸を引っ掛け経糸の長さを揃える。
  • 『粗筬 (あれをさ)』「大まかな押え・収め・束ね」の意。
  • 『撒く (まく)』「分ける」の意。
  • 『かざり』織機の一部で「もじり」とも言い、踏木を踏んで経糸を上下互い違いに分ける機構。これは「綜絖 (そうこう)」の「絖」の機能を指すと思われ、「へ (綜)」+「かざり (替さり)」= 「綜絖 (そうこう)」か。「へ (綜・総) 」は「へる (綜る)」の名詞形で、「へる」は 「合わす・統べる・束ねる・調える」などの意。
    【綜絖】そうこう -広辞苑より-
    織物製造の際、緯糸を通す杼道を作るために経糸を上げさせる道具。
  • 『陰陽踏み分く (めをふみわく)』2本の踏木のそれぞれを「め (陰)」と「を (陽)」と呼ぶらしい。この2本を左右の足で踏んでかざりを上下させ、経糸を上下ふた手に分けて杼を通す開口をつくる。
    【踏木】ふみぎ -広辞苑より-
    足を乗せておく木。特に、機で、緯糸を通す時に経糸を上下させ杼口を作るために足で踏む木。
  • 『杼 (かひ)』「かふ (通ふ・還ふ)」の名詞形で「行き来させるもの・巡らすもの」の意。
    【杼・梭】かひ・ひ -広辞苑より-
    織機の付属具の一。製織の際、緯糸を通す操作に用いるもの。木または金属製で舟形に造ったものの両端に、金属・皮革などをかぶせ、胴部に緯管 (よこくだ) を保持する空所があり、一側にうがった目から糸が引き出され、経糸の中をくぐらせる。さす。さい。シャットル。
  • 『木綿 (ゆふ)』本来「ゆき」という名の植物(群)があって、その皮の繊維から作った糸で織った織物を「ゆふ」と呼んだらしい。
  • 『布 (ぬの)』本来「ぬさ」という名の植物(群)があって、その皮の繊維から作った糸で織った織物を「ぬの」と呼んだらしい。
  • 機の幅は経糸800垂、筬は400歯とする。経糸80垂の幅を一算、8垂の幅を一手と言う。綜杭に掛けて経糸の長さを揃え、粗筬に分けて筬に通し、かざり (綜絖) に掛ける。踏木の陰陽を踏んで経糸を分けて杼を投げ、筬を行き来させる。こうして木綿も布も絹も織るのである。


『十算物 モノヌシ守の 常の衣ぞ 喪には固織』

  • 『十算物 (とよみもの)』10算 (経糸800垂) の幅の機でつくった衣服。機幅の大きさが着る人の身分を表す。
  • 『モノヌシ守 (ものぬしかみ)』オオモノヌシ (大物主)。モノノベを司る主。地の政 (国家行政) を司る最高長官。
  • 『常の衣 (つねのは)』つねひごろ着る衣服。
  • 『喪 (も)』「もふ (詣ふ・罷ふ)」の名詞形「もは」の簡略で、「離別」の意。
  • 『固織 (かたおり)』-広辞苑より- 織物の文を浮かさず、糸を固く締めて織ること。また、その織物。⇔浮織
  • 十算 (経糸800垂) の幅の機で作ったものがモノヌシ守の普段の衣服である。喪には十算幅の機で作った固織を着る。


『九算物 連・直ら 常の衣ぞ 喪は九の固衣』
『八算物 粗長・卑臣 常の衣ぞ 喪は八の固衣』
『七算撚り 太布は民の 常の衣ぞ 喪は六の固衣』


  • 『九算物 (こよみもの)』9算 (経糸720垂) の幅の機でつくった衣服。
  • 『連 (むらじ)』オオモノヌシを補佐する役職。「ツリ」あるいは「副モノ」とも言う。この補佐職の頂点にあるのがコトシロヌシ
  • 『直 (あたひ)』罪人の清汚を数えるモノノベ。「清汚 (さが)」の原義は「直&曲」。「が (汚)」は「罪」と同じ。「さ (清)」はその情状の酌量減軽と考えて良いと思う。清汚臣 (さがおみ)・天の目付 (あのめつけ) とも言い、罪科を査定し、ツウヂ (=国造) を経てオオモノヌシに報告する。「あたひ (直・値)」は「あたる (当たる)」の変態「あたふ (能う・適う)」の名詞形で、「匹敵・相当・適合・釣合・均衡」などの意。
  • 『固衣 (かたは)』固織 (かたおり) と同じ。
  • 『八算物 (やよみもの)』8算 (経糸640垂) の幅の機でつくった衣服。
  • 『粗長 (あれをさ)』いくつかの村を束ねた行政区画を「あれ (粗)」と言うが (村 ∈ 粗 ∈ 県)、その司を「あれをさ (粗長)」または「あれべ (粗侍)」と言う。織機の「あれをさ (粗筬)」と同様「大まかな束ね」という語意。粗長・村長・手侍 (組頭) は中央直属の役人ではなく、地元の有力者に治めを委任する、言わば契約役人。
  • 『卑臣 (べをみ)』下位の臣。下っ端役人。「ことみ (小臣)」「おと (小臣)」とも呼ぶ。
  • 『七算撚り (なよみより)』7算 (経糸560垂) の幅の機。「より (撚り)」は「おり (織り)」の変態で「織物・機」の同義語。
  • 『太布 (ふとの)』「ふとぬの」の簡略か。
    【太布】ふとぬの -広辞苑より-
    太い糸であらく織った布。また、さらしてない粗末な布。
  • 九算 (経糸720垂) の幅の機でつくったものが、連・直の普段の衣服である。喪には九算幅の機で作った固衣を着る。
    八算 (経糸640垂) の幅の機でつくったものが、粗長・卑臣の普段の衣服である。喪には八算幅の機で作った固衣を着る。
    七算 (経糸560垂) の幅の機と太布は、民の普段の衣服である。喪には六算幅の機で作った固衣を着る。


『我 常に 十二算を着る 月の数 喪は十の固衣 夏はヌサ 績みて布 織り 冬はユキ 撚りて木綿 織り 着る時は 上・下 万々の 気も安ぐ』

  • 『十二算 (そふよみ)』12算 (経糸960垂) の幅の機。
  • 『ヌサ』植物(群)の名称と思われる。
  • 『績む (うむ)』は「ゆふ (結う)」「あむ (編む)」「よる (撚る)」「おる (織る)」の変態で「合わす・交える・組む」などの意。
  • 『ユキ』植物(群)の名称と思われる。「ゆうき (結城)」に関係ありか?
  • 『上下万々 (かみしもよよ)』上下諸々。貴賤諸々。
  • 『気も安ぐ (ゐもやすぐ)』心も静まる。ここでは「驕りがちな人の意識が鎮静する」の意。「やすぐ」は「やす (痩す)」+「すく (空く)」の合成で、共に「低まる・衰える・沈む」などの意。
  • 我は普段は一年の月の数である十二算 (経糸960垂) の幅の機でつくった衣服を、喪には十算幅の機で作った固衣を着るが、夏はヌサを績んで織った布、冬はユキを撚って織った木綿である。(天君である我がこうした地味な衣服を普段着るならば) 貴賤諸々の驕りがちな心も静まらざるを得ないからである。


『飾るを見れば 賑えど 内は苦しむ その故は 木綿・布・絹を 染め飾る これ 為す人は 耕さで 暇 欠く故に 田も粗れて』 

  • 『賑わふ (にぎはふ) 』は「にぐ (熟ぐ)」+「はふ (生ふ・栄ふ・映ふ)」の合成動詞で、どちらも「高まる・勢いづく・栄える」などの意。「にぐ」は類語を見つけにくいが、「なが (長)」という名詞を作っている「なぐ」という動詞の変態。
  • 『内 (うち)』ここでは「心の内」の意。
  • 『苦しむ (くるしむ)』「くる (曲・転/暮・枯)」+「しむ」。「曲る・低まる・衰える」の意。「くる」はここでは名詞形。「しむ」は「する (為る)」の変態。
  • 『絹 (きぬ)』は「きぬ (熟ぬ)」の名詞形。「熟ぬ」は「高まる・栄える・勝る・優れる・光る」などの意。「絹」は「こね (捏ね)」「こな (熟)」「かね (金)」などの変態。
  • 『染む (そむ)』は「そふ (添う)」の変態で、「合わす・交える・付ける」などの意。
  • 『暇 (ひま)』は「ひる (放る)」の変態「ひむ」の名詞形。「ひむ」は「離れる・別れる・割ける・空く・開く」などの意。よって「ひま」は「空き・すき・割れ目・裂け目」などの意。
  • 『欠く (かく)』は「かる (離る)」と同じで「離れる・退く・除く」などの意。
  • 人々が華やかに飾るのを目にすれば栄えているように見えるが、心の内は苦しむ。なぜなら木綿・布・絹を染め飾る人は、うわべばかりで己の中身を耕さない。またうわべ飾りに忙しいがため、田も耕すことなく粗れてゆく。


『たとひ実れど 乏しくて やや人数の 糧 あれど 元力 得ぬ 稲の実は 食みても肥えず 漸くに 糧 足らざるぞ』

  • 『乏し (とぼし)』「とふ」+「し (如)」。「とふ」は「たふ (絶ふ)」の変態。「とぼし」は「絶ゆる如し」の意。
  • 『やや』ここでは「ようやく・やっと」の意。
  • 『糧 (かて)』は「かつ (交つ)」の名詞形で、「かつ」は「合わす」の意。「かて」は「(身に) 合わすもの・食い物」の意で、「くわせ (食わせ)」の変態。
  • 『元力 (もとぢから)』不詳だが「耕し肥やした土が作物に与える力」の意と推測する。「もと」は「もどる (戻る)」の原動詞「もつ」の名詞形で、「もつ」は「おつ (復つ)」の変態。「ちから」は「しけり (繁り・茂り)」「しきり (頻り)」「さかり (盛り)」などの変態で、「高まり・勢い・栄え」などの意。
  • 『稲 (いね)』は「いる (炒る)」の変態「いぬ」の名詞形。「いる・いぬ」は「高まる・勢いづく・栄える」などの意。よって「いね」は「高まり・栄え・茂り」などの意で、「よね (米)」「おね(尾根)」「うね(畝)」などの変態。
  • 『実 (み)』は「満ち・至り・中心・核・種」などの意を表す。
  • 『食む (はむ)』は「あふ (合う・和う)」「なむ (舐む)」「のむ (呑む)」などの変態で「(身に) 合わす」の意。
  • 『肥ゆ (こゆ)』は「越ゆ・超ゆ・濃ゆ」と同じ。「かむ (醸む・上む)」の変態で「高まる・栄える・熟れる・勝る」などの意。
  • 『漸くに (やふやくに)』ここでは「しだいに・徐々に」の意。
  • 『足る (たる)』は「合う・釣合う・均衡する」が原義で「(過不足無く) 治まる・調う」の意。
  • 田が粗ればたとえ実っても豊作とはならず、何とか人数分の糧をまかなえても、元力を得ていない稲の実は食べても栄養とならないため、徐々に糧は不足してゆく。


『誇る世は 陽陰の憎みに 雨風の 時も違えば 稲 痩せて 民の力も やや尽きて 弥に苦しむぞ』

  • 『誇る (ほこる)』 は「おこる (熾る・怒る)」「おごる (驕る)」の変態で、「高ぶる・勢いづく・調子に乗る」などの意。ここでは「驕る」の言い換えと考えて良い。
  • 『陽陰の憎み (あめのにくみ)』陽陰 (日月) が世を疎んじること。
  • 『雨風の時も違ふ (あめかぜのときもたがふ)』雨や風の時節が作物の育成に不適当となること。
  • 驕り高ぶる世は日月にも疎んじられて、雨風の時節も不適当なものとなるので、稲は痩せ、民の力もしだいに尽きて大いに苦しむぞ。


『飾りより 驕りになりて 鋭き謀る 果てはハタレの 地 乱れ 民 安からず 故 常に 民の気安き 木綿を着る』

  • 『鋭き謀る (ときはかる)』鋭き者は謀る。「利口な者は計略をめぐらす」の意。これをアマテルは「荒猛心 (あらたけごころ)」と呼んでいる。すなわち、環境の荒猛にうまく順応しようとすることが生む、大局を思わず目先の損得のみに心を配り、上手に立ち回ろうとする小手先の手法・態度を言う。このねじ曲った小賢しさがハタレを生むのだとアマテルは言う。『八咫鏡4』を参照。
  • 『ハタレ』は「はづれ (外れ)」の変態で「外れたさま/もの」の意。心の反りや曲がりが過ぎて、人から外れてしまった者を言う。また心の曲りが呼び寄せる悪霊に支配された人の成れの果て、これも「ハタレ」と呼ぶ。程度の重篤なハタレは「オロチ」とも呼ばれる。
  • 『気安し (ゐやすし)』「ゐ (気)」は「き (気)」と同じ。「心やすらかなる如し」の意。
  • 飾りより驕りに発展し、利口者はねじけた計略を巡らす。そのねじ曲った心は、果てはその者をハタレへと変貌させて世を乱し、民は安らかでない。それゆえ民の安寧を守るために、常日頃から (臣民の驕る心を抑える) 木綿を着るのである。


『麻子と菅の 羽二重は 民の気安く 永らえと 日に祈る衣ぞ』

  • 『麻子 (あさこ)』不詳。「麻から分かれるもの・麻から取れるもの」の意と推察している。
  • 『菅 (すが)』は「しげ (繁・茂)」の変態で、「繁茂するもの」の意。語義としては「すげ (菅)」「あし (葦)」「あさ (麻)」「ち (茅)」「かや (萱)」と同じ。
  • 『羽二重 (はぶたえ)』雌鶴の羽から作った緯糸と雄鶴の羽から作った経糸を織ったものを起源とする。後には経糸と緯糸に別種の糸を用いて織った機を言うようになったようだ。詳しくは『常陸帯』を参照。
  • 『永らふ (ながらふ)』は「長ずる・高まる・進展する・優れる」などの意で、長生きするということに限らない。
  • 麻子と菅の羽二重は、民が心安らかに永らえることを日毎に祈る衣ぞ。


『錦織は ユキ・スキ宮の 大嘗の 会の時の衣ぞ』

  • 『錦織 (にしこり)』「にしき (錦)」+「おり (織)」の音便。「にしき」とは「丹・白・黄」で、「カラフル」の意。「にしき」の類語に「かしき (赤・白・黄)」がある。
  • 『ユキ・スキ宮 (悠紀・主基宮)』大嘗会で設置されるユキ宮とスキ宮。ユキ宮に「アメノミヲヤ」と「ト・ホ・カ・ミ・ヱ・ヒ・タ・メ」の天元神を祭る。スキ宮には「キ・ツ・ヲ・サ・ネ」の五座の神と「ア・ミ・ヤ・シ・ナ・ウ」の六腑の神を祭る。
  • 『大嘗の会 (おおなめのゑ)』天皇が即位後初めて行う「新嘗会」で、即位の式典を兼ねる場合が多い。この祭は天つ日月を受け継いだことを、天地に知らせしめるという意味を持つ。
  • 錦織はユキ・スキ宮に三種の受けを告げる大嘗会の時の衣ぞ。


『綾織は 埴の社の 新嘗会に 繁き祈る衣ぞ』

  • 『綾織 (あやおり)』 タテ糸、ヨコ糸3本以上で織られ、糸が斜めに交わって模様を織出す織方。平織と比べ、風合いが柔軟でシワがよりにくく、糸の密度を増すことができる。 (出典失念)
  • 『埴の社 (はにのやしろ)』新嘗会で設けられるハニスキの祭場。そこに「田畑神」(=地の十一神) と「トの神」を祭る。これらの神々は人の地上での生活 (衣食住) を守る神。
  • 『新嘗会 (さなめゑ)』一年最初の嘗事。嘗事は「祭」と同じ。冬至の日 (陰暦の11月) に行われた。「にいなめ」「ういなめ」とも呼ばれる。
  • 『繁き祈る (すきいのる)』「すく (優く・繁く)」+「いのる (祈る)」。崇め祈る。囃し祈る。「すく」は「高める・囃す・敬う・崇める」などの意。
  • 綾織は埴の社の新嘗会で田畑神とトの神に敬い祈る衣ぞ。


『この故は 綾・錦織は 筬歯 八百 一歯に四垂り 三千二百垂 これ葦原の 統の数 棚機神と 田畑神 同じまつりの 綾・錦』

  • 『統 (とよ)』は「とゆ・とふ」の名詞形。「とゆ・とふ」は「とむ (留む)」の変態で「合わす・まとめる・治める・調える」の意。「とむ」の名詞形が「とみ (臣)」である。よって「とよ」は「とみ (臣)」の言い換え。
  • 『棚機神 (たなばたかみ)』「棚機」とは夜空に帯状に連なる「天の川」のこと。よって「棚機神」とは星となっている元明の四十九神を言うが、特に元々明九星を指す。
  • 『田畑神 (たはたかみ)』田畑は人の肉体生活に欠かせない食料を生み出してくれるものである。よって「田畑神」とは人の地上生活 (衣食住) を守る「地の十一神」の別名である。この11神には他にも「ウマシアシガイヒコチ神」「御竈のヱト守り神」「室十一神」「年のり神」「日夜見神」「干支守」「陽陰守」の別名がある。
  • 『同じまつり』「神の祭」と「地の政」はどちらも同じく「まつり」。だから地の政を執り行う臣の数の経糸で織った綾織と錦織を着て天の神を祭る。
  • この理由は、綾織と錦織は800歯の筬を使い、1歯当たり4垂の経糸を通す。だから経糸は合計3200垂となるが、これは葦原中国を治める臣の数である。天に坐す棚機神と田畑神の「祭」の御衣は、地の「政」を執り行う3200という数の経糸で織った錦織と綾織、というわけである。


『三千垂の経に 綜・かざりを 掛けて四つ六つ 踏み分くる』

  • 『綜・かざり (へかざり)』不詳だが、「綜絖 (そうこう)」を言うように思われる。「かざり」は織機の一部で「もじり」とも言い、踏木を踏んで経糸を上下互い違いに分ける機構。これは「綜絖 (そうこう)」の「絖」の機能を指すと思われ、「へ (綜)」+「かざり (替さり)」= 「綜絖 (そうこう)」か。「へ (綜・総) 」は「へる (綜る)」の名詞形で、「へる」は 「合わす・統べる・束ねる・調える」などの意。
    【綜絖】そうこう -広辞苑より-
    織物製造の際、緯糸を通す杼道を作るために経糸を上げさせる道具。
  • 『四つ六つ (よつむつ)』不明。
  • 三千垂の経糸に綜・かざりを掛けて、踏木を四つ六つ踏み分ける。


『柳紋なる 花形は 描き 真延に 当て写し ツウヂ ヨコヘに 吊り分けて 織姫 かざり 踏む時に ヨコヘに分けて ツウヂ 引く 杼 貫き投げて 筬 巡る 綾・錦織も これなるぞ 高機法の あらましぞ これ』

  • 『柳紋 (やなぎあや)』不詳。柳の枝をモチーフにした紋様か?
  • 『花形 (はながた)』映える形/模様。
  • 『真延 (まのり)』等大。等縮尺。
  • 『ツウヂ』は「ツウジ」とも表記され、推そらく「通じ (つうじ)」の意である。「つうじ」は「つうず (通ず)」の名詞形で、「つうず」は「とほす (通す)」の変態。だから「ツウヂ」は「(経を) 通す者」の意と考える。「通す」は「そらさない・外さない・貫く・至らせる」などの意。「経 (たて)」は「上から下へ流れる陽陰なる道」を表し、機の「経糸」、また「立て・掟・法」を指す。ここでは「経糸を乱さず統べて通すもの」の意で「へ (綜)」と同じ。ツウヂは「くにつこ (国造・国司)」の別称でもある。
    【通糸】つうじ゙ -出典失念-
    綜絖の経糸を通す部分と、ジャカード機の「竪針」を連結する糸。往時は麻糸が用いられたが、現今では合繊糸を使用するのが普通である。「ツウジを吊り込む」とか言う。
  • 『ヨコヘ (横綜)』織機の経糸をまとめる「ツウヂ」に添えられる綜。綾織や錦織などの高度な機を織る場合に「ツウヂ」に追加される。「へ (綜)」は「統べ調えるもの」の意。
  • 『高機法 (たかはたのり)』高度な機を織る方法。
  • 『あらまし』「あらわし (表し)」の変態。あるいは「あら (粗)」+「まし (在し)」で「大雑把なありさま」の意。
  • 「柳紋」という花形は、絵に描いて等寸大に当て写し、経糸をツウヂとヨコへに吊り分けて、織姫が踏木を踏んでかざりを上下する時に、ヨコへに分けてツウヂを引く。杼を貫き投げて筬を行き来させる。
    綾織・錦織の製法も同じであり、これが高機法のあらましである。



参考サイト:http://gejirin.com/hotuma23.html
     :http://gejirin.com/mitinoku.html



スポンサーサイト

トラックバックURL
http://divinehuman.blog.fc2.com/tb.php/140-43c8ddd8
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
プロフィール +

御預二号

Author:御預二号
FC2ブログへようこそ!

最新記事 +
最新コメント +
最新トラックバック +
月別アーカイブ +
カテゴリ +
検索フォーム +
RSSリンクの表示 +
リンク +
ブロとも申請フォーム +
QRコード +
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。