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ホツマツタエのおもしろ記事(40)『ソサノヲ 吼ゆ』

2013-01-25 14:00
ホツマツタエのおもしろ記事(40)  ソサノヲ 吼ゆ




内宮セオリツ姫により、北の局の典侍モチコと内侍ハヤコは、身柄を筑紫のアカツチに預けられる。モチコ・ハヤコから引き離されたソサノヲは荒れ狂い、手の施しようがなかった。

『ソサノヲ 仕業 あぢきなく なじろ しきまき あお放ち』ホツマ7文


  • 『あぢきなく』は、「あぢき」+「なし (無し)」の連用形。 「あぢき」は「あづく (預く)」の名詞形「あづき (預き)」の変態。 よって「あぢきなし (預き無し)」は「あづかりなし (預かり無し・与り無し)」と同義で、「関わる者がいない」「手出し無用」という意。
  • 『なじろ』は「なじる (詰る)」の名詞形と考えている。
  • 『しきまき』は「しきまく」の名詞形。「しきまく」という動詞は辞書には無いが、「さかまく (逆巻く)」の変態と考える。「逆巻く」も「さかわく (盛沸く)」つまり「盛んに沸き返る」が原義と考えている。「盛んに」と「頻りに」は同義である。
  • 『あお放ち』の「あお」は「おゑ (穢・汚穢)」の変態で「毒気」の意と考える。

したがってこの部分は「悪口雑言、逆上、毒気の発散」という意で、ソサノヲの怒り狂うさまを表現した記述と考えたい。

『日本書紀』はこの部分を「天の苗代に種を重播し、畔を放ち」と解釈している。
また『延喜式の六月晦大祓』でも「天津罪と 畦放 溝埋 樋放 頻蒔 串刺 生剥 逆剥 屎戸 ここだくの罪を 天津罪と法別て」と、書紀と同じ解釈である。
これは当時すでに古語を解読できなかった日本書紀が、適当に言葉を加えてでっち上げたと見ている。大祓は書紀に倣ったのだろう。



新嘗祭で君が田畑神に祈る時に召す「神御衣」を織っていれば、その殿を汚す。

『みのらす御衣の 新嘗の 神御衣 織れば 殿 汚す』ホツマ7文


  • 『みのらす』は、「みのる」の未然形 +「す (尊敬の助動詞)」。「みのる」は「みぬ (見ぬ/満ぬ)」から派生した動詞で「(心・身を) 合わす」また「高める・敬う・尊ぶ」などの意。これは「いのる (祈る)」と同義である。
  • 「御衣 (みそ)」は「みす (見す)」の名詞形で、「みす」は「めす (召す)」の変態。よって「みそ」は「召すもの・お召し物」である。
  • 神御衣 (かんみは)』は、辞書には「かむみそ・かんみそ」、また「神の御衣 (かみのみけし)」ともある。
  • 『殿』は「斎衣殿 (ゐんはとの)」を言い、辞書には「斎服殿 (いみはたどの)」とある。
  • 『汚す』は、どういう行為を言うのか不明であるが、部外者が斎衣殿に近づくだけでも「汚す」ことになるのかもしれない。ソサノヲはその神聖な殿に無断で立ち入ったものと考える。日本書紀は「糞放る (くそまる)」と解釈している。



ソサノヲはそれを注意され、織姫が一人で籠るべき斎衣殿は閉ざされた。これにむかついたソサノヲは、(子馬ではなく) 大きな馬を屋根を破って投げ入れる。中に籠って機を織っていたハナコは驚いて、手に持っていた「」で体を突いて死んでしまう。

『これ 正されて ソサノヲが 一人 被る 斎衣殿 閉づれば 怒る ふち駒を 甍 穿ちて 投げ入るる ハナコ 驚き 杼に破れ 神去りますと』ホツマ7文

  • 『被る (かふむる)』は「こもる (籠る)」に同じ。
  • 『ふち駒』を、書紀は「斑駒」としているが、馬の毛の模様などはこの場面ではどうでもいいことである。「ふち」は「ふと (太)」「むっちり」の変態と考える。



日本書紀は、本文では「天照大神、驚きて、梭を以ちて身を傷め」とし、一書では「稚日女尊、すなわち驚きて機より墮ちて、所持せる梭を以ちて身を傷めて神退りき」としている。
ここに「稚日女 (わかひめ)」が出てくるのには理由がある。

ワカ姫はヒルコ (蛭子) の別名であるが、書記は「ヒルコ」を「ヒヨルコ」の代わりに殺してしまっている。しかし稚日女尊は各地の神社に祭られており、その名までは消すことはできなかった。そこでハナコを稚日女尊に仕立て上げたのである。なぜならばハナコというのは斎名だが、その通称は「ワカサクラ姫」「ワカ姫」と言うからである。



これにはついにアマテルも怒り、「天の下にある地に対する見方が間違っている」と、歌を以て諭す。
[天の下を和して恵む日月のような存在であってこそ民の親であり、それが国守というものである。]

『君 怒りまし ソサノヲに "汝 汚なく 地 望む"』ホツマ7文

『如何んぞ 地 望む 陽陰法 成せば 地の守』ホツマ40文

『天が下 和して恵る 日月こそ 晴れて明るき 民の父母なり』ホツマ7文



しかしソサノヲはなおのこと怒り、毒気をまき散らす。

『ソサノヲは いわを蹴散らし なお怒る』ホツマ7文
  • 『いわ』は、先出の「あお」と同様に「おゑ (汚穢)」の変態。他にも「いま (忌)」「おわい (汚穢)」などがある。
  • 『蹴散らす』は「放つ・退ける」の意。「足で蹴る」ことに限らない。



ー つづく ー




参考サイト:http://gejirin.com/hotuma07.html
     :http://gejirin.com/hotuma40.html



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