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ホツマツタエのおもしろ記事(58)『天稚彦の葬儀』

2013-02-05 00:24
ホツマツタエのおもしろ記事(58)  天稚彦の葬儀


前回までのお話


アメワカヒコ (天稚彦) は、代の殿タカキネの返し矢によって死ぬ。夫を失ったタカテル姫の泣く声が、中国にまで聞こえてきて、両親は早々に屍を引き取って葬儀を行った。

『タカテル姫の 泣く声の 天に聞えて 父母の 早ちに屍 引き取りて 喪屋を造りて 仮殯』ホツマ10文

  • タカテル姫 (高照姫)』オオナムチの娘でアメワカヒコの妻のタカコ。タカテル姫はヒルコから襲名した名。
  • 天 (あめ)』は、ここでは「タカマ」と同じで「中心」の意。葦原中国を指す。
  • 早ちに (はやちに) 』早々に。早々と。=直ちに。
  • 屍 (かばね)』は「かばふ (庇う)」の変態「かばぬ」の名詞形で、「覆い・囲み・収め」の意。「(魂の) 入れ物」つまり「殻・体」を言う。
  • 喪屋 (もや)』「も (喪)」は「もふ (申ふ)」の名詞形「もは」の短縮。「もふ」は「離す・話す・分ける」などの意で、「もは・も」は「離れ・別れ」の意となる。「屋」は「入れ物」。
  • 仮殯 (かりもがり)』「もがり」は「まかり (罷り)」の変態で、やはり「別れ」の意。「仮殯」は「仮の別れ」の意。何が仮なのかというと、本当の別れは土に埋める時だからである。


そして次の段はその葬送の模様の記述だが、解釈は難しい。

『送る 川雁 きさり持ち にわとり 掃仕 すずめ 飯 鳩はものまさ さざき みそ とび 木綿 奉り からす 塚 八日八夜 悼み 喪を務む』ホツマ10文

  • 送る』は、仮殯が終わっていよいよ本当に死者の魂を天に「送る」という意味だろう。「おくる」には「上げる」の意味もある。
  • 川雁 (かわかり)』は「かも (鴨)」だろうと思う。「かり」「かも」「がん」は発音のバリエーションに過ぎず、水に浮かんで足を掻いて泳ぐ水鳥の総称と見ている。
  • 『きさり持ち』「きさり」は「くさり (腐り)」とか「くずれ (崩れ)」などの変態で、遺骸を言ってるように思う。よって「きさり持ち」は「遺骸を運ぶ者」の意か。日本書紀は「持傾頭者 (きさりもち)」と書いている。
  • 掃仕 (はきし)』は「清掃する者・祓い清める者」の意と思われる。ニワトリがこの役を務める。
  • 飯 (いゐ)』は「食事を捧げる者」の意と思われる。スズメがこの役を務める。
  • ものまさ (物申)』は「物申し (ものもうし)」の変態と考える。「弔辞を申す者」の意か。鳩がこの役を務める。
  • さざき (鷦鷯)』ミソサザイの古名だという。
  • みそ』は「衣」と考える。「みそ」は「みす」の名詞形だが、これは「めす (召す)」の変態である。したがって「みそ」は「召す物・お召し物」である。さざきが衣を捧げる役を務めるわけである。この葬送の話がミソサザイの名の起源であるようだ。 おそらくオリジナルは「衣捧ぎ (みそささぎ)」だろう。
  • 木綿 (ゆふ)』は、「ゆひ (結い/斎)」の変態で「織物」の総称。神を斎く物実として使う。鳶がこれを捧げる役を務める。
  • 塚 (つか)』は「束・握・漬」であろうと思う。「まとめるもの・収めるもの」の意で、「遺骸を納める洞」「墓穴」を言うように思う。カラスがこれを掘る。


[葬送は、鴨が遺骸を運び、ニワトリが祓い清め、スズメは食事を捧げ、鳩は別れの詞を宣り、ミソサザイが衣を捧げ、トビは和幣を奉り、カラスは墓穴を掘る。八日八夜 死者を偲び 別れに心血を注ぐ。]


タカテル姫の兄で、アメワカヒコの友人でもあったタカヒコネがこの喪を訪う。二人は姿が瓜二つであったらしく、親族らはタカヒコネを見て、アメワカヒコが生きていたと勘違いする。これにタカヒコネは怒る。

『タカテルの兄 タカヒコネ 天に上りて 喪を訪えば この守 姿 ワカヒコに 瓜 分け得ず シムの者 "君は生ける" と 寄ちかかり "八年 たまゆら" と 惑ふ時 怒る アチスキ タカヒコネ』ホツマ10文

  • 『瓜 分け得ず (うるり わけえず)』二つに割った瓜の断面ようにそっくりで見分けがつかない、という意。=瓜二つ
  • 『シム (親)』は、ここでは「親しい者・親族・身内」の意。
  • 『寄ちかかり (よちかかり)』は「寄っかかり」と同じで「寄りかかる」の音便。
  • たまゆらは、「(思いと現実が) 隔たるさま/ぶれがあるさま」「思いがけないさま」「偶然」などの意。
  • 惑ふ (まどふ)』は、「逸れる・曲がる・ねじける・回る・うろうろする」などの意。「迷う」も同じ。
  • 『アチスキ (阿治須岐)』タカヒコネの修辞であるが意味不詳。熱しやすく愚直という意味か。もう一つの修辞「ステシノ (捨篠)」も似たような意味かと想像している。


『"友なればこそ 遠方に訪ふ 我を亡き身に 誤つは あら 穢らしや 腹立ち" と 喪屋 斬り臥せる アオハカリ 放けて神戸を 去らんとす』ホツマ10文

  • 『遠方 (おち)』は「あっち (彼方)」の変態。
  • 『亡き身 (なきみ)』は「(魂・魄が) 退いた身」「抜け殻」の意。
  • 『穢らし (けがらし)』は、「けがる (穢る)」+「し (形容詞語尾)」で、「し」は「しく (如く)」という動詞から来ている。
  • 『腹立ち (はらたち)』は「はらたつ」の名詞形で、これは「あらだつ (荒立つ)」「いらだつ (苛立つ)」などの変態。
  • 『アオハカリ』は、「あお (汚穢)」+「はかり (別り)」で、「汚穢を離すもの」の意。「はかり」は「わかれ」と同じ。タカヒコネの剣の名である。
  • 『放けて (さけて)』「曝け出して」「抜き放って」の意。
  • 『神戸 (かんと)』は「かむ(離む)」+「と(方・処・戸)」。「かむ」は「離れる・別れる」、「と」は「所」の意。つまり「かんと」は「別れの所」「(魂・魄が) 去る所」「神去る所」などの意。


この時、カナヤマヒコの孫娘のオクラ姫 (2代目シタテル姫) が、短歌を詠んでタカヒコネの怒りを緩めようとする。

『昔 中山 道 拓く カナヤマヒコの 孫娘 シタテル・オクラ タカヒコの 怒り 融かんと 短か歌 詠みて諭せり』ホツマ10文

  • 『カナヤマヒコ (金山彦)』美濃の国守アマクニタマ、ウリフ姫ナカコの父で、中山道はこの人がを開いたという。
  • 『シタテル・オクラ』アマクニタマの娘オクラ姫は、ヒルコから歌の奥義を得て、シタテル姫を襲名している。
  • 『短か歌 (みぢかうた)』5・7・5・7 ・・・ 7・7の歌。今に言う短歌と異なり、ワカ歌 (31音) より長く、長歌より短い歌を言うらしい。


『あめなるや 復棚機の 促せる 珠のミスマル ミスマルの 穴珠 逸み 誰に二輪 垂らすアチスキ タカヒコネぞや』ホツマ10文

  • 『あめなるや』「あめ」は「あま (甘)」「うま (美味)」の変態で、「優れているさま」を表す。「あめなるや」は「麗しや」と同義。
  • 『復棚機 (おとたなばた)』「復 (おと)」は「循環・繰り返し」の意。「棚機 (たなばた)」は「連なり続く機」の意から転じて「連なり続く天の川」の意。よって「復棚機 (おとたなばた)」は「果てしなく続く天の川」の意。
  • 『促せる (うながせる)』は「うながす (促す)」の連体形。「うながす」は「高める・栄す・優れさす」などが原義で、ここでは「飾る・にぎわす」などの意。
  • 『珠のミスマルは、ここでは「星の集まり」を表す。
  • 『ミスマルの穴珠 (あなたま)』は、ここでは穴を開けて連ねたネックレスの珠を言う。
  • 『逸む (はやむ)』は「勢いづく・踊る」などの意。怒りに踊るタカヒコネのネックレスの珠と、タカヒコネに対するときめきに踊るオクラ姫のネックレスの珠を対照して表現している。
  • 『誰に二輪垂らす (たにふたわたらす)』二輪というのは、一つのネックレスを男女二人でかけて垂らすことを言うように思う。


この歌に後の展開を予想したタカヒコネは、怒りを緩めて大刀を収め、男女の和合について教えようと、返歌する。

『天 下がる ひなつめの意は ただ 背訪ひ しかはかたふち 片淵に 網 張り渡し 群寄しに 寄し 撚り捏ねい しかはかたふち』ホツマ10文

  • 『天下がる (あまさがる)』「都を離れて地方に下った」の意。「天」は、ここでは「中央・都」の意。
  • 『ひなつめの意 (い)』(1)「鄙詰めの意」自分が田舎に詰める意向。(2)「鄙つ女の意」田舎娘 (オクラ姫) の意向。
  • 『背訪ひ (せとひ)』(1)「背訪ひ」(死んだ) 友を訪うこと。(2)「背訪ひ」男に言い寄ること。
  • 『しか』は「そこ (其処)」の変態で、「そち・そっち (其方)」「そのほう (其の方)」と同義。あなた。
  • 『かたふち』は「かたおち (片落ち)」の変態で、「不公平・自分勝手」の意。
  • 『片淵 (かたふち)』川の一部だけが深くなっていて魚の通路となる所。
  • 『群寄しに寄し (めろよしによし)』「集め寄せに寄せ」の意。
  • 撚り捏ねい (よりこねい)は、「合わせ捏ねて・捏ね回して」から転じて「扱いやすくして」の意。つまり純情で愚直なタカヒコネの性格を、うまく利用したオクラ姫のやり方は公平でないということを言っていると思われる。


『この歌は 後の縁の '合ふ失す' の 離糸 結ぶ ヒナフリはこれ』ホツマ10文

  • 『合ふ失す (あふうす)』は「合うことと離れること」「和合と別離」の意。タカテル姫の「寄り」の歌に対してタカヒコネが「放ち」の歌で応えたことを言う。
  • 離糸 (かもいと)は「離れた糸」「結ばれていない糸」「織られる以前の経糸と緯糸」などの意。
  • 『この歌は 後の縁の '合ふ失す' の 離糸 結ぶ』この二人の歌は、この時はオクラ姫の求愛の歌に、タカヒコネは突き放す歌を返して、すれ違いに終わったのだが、結局のところ二人を結び付ける縁をつくった歌となったのである。
  • 『ヒナフリ』「歩み寄りの歌」に対して「突き放しの歌」を返す歌の形式。
 

ー つづく ー




参考サイト:http://gejirin.com/hotuma10.html


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