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ホツマツタエのおもしろ記事(72)『思兼命』

2013-02-18 23:17
ホツマツタエのおもしろ記事(72)  思兼命



「オモイカネ」は7代タカミムスビのタカキネ (高木神) の子で、斎名は「アチヒコ」。「フトタマ (天太玉命)」「ヨロマロ」「タクハタチチ姫 (栲機千々姫)」「ミホツ姫 (三穂津姫)」等の兄弟である。

『天のうたえは 代の殿 正すは子の オモヰカネ』ミ逸文

  • 『天のうたえ (あめのうたえ)』「天」は、ここでは「中央」の意。「うたえ (打たえ)」は「おさえ (押え)」「をさめ (治め)」の変態。よって「天のうたえ」は「中央の治め/政」の意。
  • 『代の殿 (かふのとの)』天君の代理を務める臣。タカキネが病弱なオシホミミに代って中央の政を執るため就任した役職。



オモイカネはアマテルが二神から「天地つ日月」を受け継いだ時、アマテルの左の臣に任命されている。

『御子ワカヒトに 天地照らす 日月を譲り ます時に 左の臣は オモイカネ 右 サクラウチ』ホツマ19-1文

  • 『天地照らす日月 (あまてらすひつき)』天地つ日月 (あまつひつき)。 「キ・ミ(君)」を、天空を廻って天が下を和し恵む「日と月」と同一視したもので、天君たる位・皇位を表す。これは言い方を代えれば「天地照らす君 (あまてらすきみ)」となる。「天地つ日月」は、ホツマにおいては極めて重要な概念だが、後に「天つ日嗣 (あまつひつぎ)」と誤解されてしまう。
  • 『左・右の臣 (ひだり・みぎのとみ)』「君の両側 (左右) に侍る臣」という意味で、今風に言えば「左大臣 (さだいじん)・右大臣 (うだいじん)」。ホツマはこれを「羽の臣 (はねのおみ)」とか「両羽臣 (もろはとみ)」と呼んでいる。


アマテルはハラミ山 (富士山) 麓のヤスクニ宮からイサワ宮に都を移すが、この都の建設に当たったのがオモイカネであった。

『君は都を 移さんと オモヒカネして 造らしむ 成りてイサワに 宮移し』ホツマ6文



アマテルの御使として「タマツ宮」に出向くと、その宮の主のワカ姫 (ヒルコ) に見初められる。

『タマツの御使 アチヒコを 見れば焦るる ワカ姫の ワカの歌 詠み 歌見 染め 思ひかねてぞ 進むるを』ホツマ1文

  • 『タマツ』タマツ宮。現在は和歌山市の玉津島神社となっている。「たまつ」は「たもつ (保つ)」の変態で、「(ワカ姫の心を) 留める宮」という意。ワカ姫はこの宮を住まいとしていた。詳しくはこちらを参照。
  • 御使 (をしか)神や君の使。勅使。
  • 『ワカ姫』の名は、「枯れた稲を若返らせた姫」の意であるが、「若 (わか)」は「沸く (わく)」の名詞形で「元気が良いさま・沸き立つさま」が原義である。オモイカネに恋焦がれて心が沸き立つ「沸姫」、これが「ワカ姫」のもう一つの意味である。
  • 『ワカの歌』も同様に、一つには「枯れた稲を若返らせた歌」の意であるが、ここではオモイカネに恋焦がれて沸き立つ心を表した「沸の歌」の意である。
  • 『歌見 (うたみ)』歌を書き付ける短冊。「歌札 (うたふだ)」とも言う。
  • 『思ひかぬ』は「思うことができない」という意であるが、「おもふ (思う)」は「おふ (負う)」の変態「おむ」の派生語であり、原義は「(心に) 合わす・収める」である。「かぬ (兼ぬ)」は「かる (離る)」の変態で「離れる・避ける・逃げる」の意。これは不可能を表す。したがって「思ひかねる」は「心に収めておくことができない (だから告白する)」の意である。そしてこれが「オモイカネ」という名の由来で、「(ワカ姫に) 思いかねられて告白された男」という意である。
  • 『進むる (すすむる)』は「進む (すすむ)」の連体形で、現代語では「進める」となる。「すすむ」の原義は「高める・上げる」で、ここでは「捧げる・献上する・差し上げる」の意。


オモイカネが歌見を手に取り読んでみると、

『キシイこそ 妻を身際に 琴の音の 床に吾君を 待つそ恋しき』ホツマ1文

  • 『キシイ』は「紀州 (きしゅう)」。「紀 (き) 」は「輝・貴」で「栄え」の意。ここでは「南」を表すと思われる。「州 (しい) 」は「しま (島)」の変態で「区分・区画」の意。「しゅう」は「しい」が訛ったもの。


事実上のプロポーズとも言える歌に、アチヒコの気は動転する。「あまのうきはし (仲人)」を架けること無く、天つ君の姉君と「とつぐ」などということがあっていいものか? 返歌しようにも言葉が浮かばない。

『思えらく 橋 架けなくて 結ぶ 和 これ 返さんと 返らねば 言の葉 無くて "待ち給え 後 返さん" と 持ち帰り』ホツマ1文

  • 『思えらく』 「おもえらく」は「おもふ(思ふ)」の連体形「おもえる」のク語法
  • 『橋 (はし)』合わすもの。つなぐもの。渡し。ここでは (男と女を) 合わす仲人。
  • 『和 (やわ)』は「あわ (陽陰)」の変態。「陽と陰の結合」が原義。


イサワ宮に戻って皆に相談してみると、この歌は返言不能の「回り歌」だとカナサキが言う。彼自身も船上で激しい波風に見舞われた時、船を打ち返さすまいと、回り歌を詠んで風を静めた経験があるという。

『長き夜の 絶の眠りの 皆 目覚め 波乗り船の 音の良きかな』ホツマ1文

  • 『絶 (とお)』は「たえ (絶え)」の変態。ここでは「絶え絶えの・途切れ途切れの」の意。


ワカ姫のこの歌も回り歌だから、その意志をくつがえすことはできないのだという。
回り歌は、今は「かいぶん・かいもん (回文・廻文)」と言われていて、「上から読んでも下から読んでも同音の歌」のことである。しかしどうして回り歌には返言できないのだろう。

「回る」というのは「繰り返す・循環する」また「行き来する」と言う意である。だから回り歌は「行って来いの歌」「自己完結の堂堂めぐりの歌」だと言える。自己完結しているから外からの影響を受け付けない。つまり「否応無しの歌」ということだろうと思う。



オモイカネとカナサキの会話を聞いていたアマテルも、

『カナサキが船 乗り受けて 夫婦なるなり』ホツマ1文

  • 『船 (ふね)』は「渡し」の意で、「橋」と同じ。
  • 『夫婦 (めをと)』は「女男 (めをと)」である。


こうしてオモイカネとヒルコは夫婦となり、ヒルコは「シタテルヒメ (下照姫)」とも呼ばれるようになる。
ヤスカワに移り、皇太子オシホミミ御子守として中央の政を執る。(オシホミミはこの時点ではまだ正式に即位していない。) それと同時に根国サホコチタル国の治めを兼任したという。

『ヤマトヤス宮 退き移し 天ヤスカワの ヒルコ姫 御子オシヒトを 養します 根とサホコ国 兼ね治む』ホツマ6文

  • 『ヤマトヤス宮』「ヤマト」は、ここでは「大山麓 (おおやまと)」の略で「富士山麓」の意。「大山 (おおやま)」は富士山の別称の一。「ヤス宮」は「ヤスクニ宮」の略。ヤスクニ宮は、アマテルがヒタカミから富士山麓に戻って新築したハラミの宮 (サカオリ宮)で、イサワ宮に遷るまでここが都であった。
  • 『天ヤスカワ』「天 (あめ)」は「中央・中核」の意で、天君の座す都であることを意味する。「ヤスカワ」は「葦原」の言替えで、広義にはナカ国・アワ国・ヤス国・ヤス・ウラヤス・ヲウミ と同じ。狭義には「近江の国」と同じ。


『天地日月 御子のオシヒト 譲り受け 元のタカヒに 知ろし召す 西はヤスカワ オモイカネ』ホツマ28文

  • 『天地日月 (あめひつき)』前出の「天地照らす日月」と同じ。
  • 『タカヒ』「ヒタカミ」の略称。「タカミ」とも言う。 ヒタカミの「タカの首」を指す。
  • 『西 (にし)』これはヒタカミの原義「日の昇る地=東」に対しての西。
  • 『ヤスカワ』は「葦原」の言替えで、広義にはナカ国・アワ国・ヤス国・ヤス・ウラヤス・ヲウミ と同じ。狭義には「近江の国」と同じ。


オモイカネ夫妻は「タチカラヲ (手力雄神)」「イキシニホ (伊岐志邇保命)」「ウワハル (天表春命)」「シタハル (天下春命)」を生む。

『シタテル姫と アチヒコと 妹背を結びて 諸共に ここに治めて 生む御子は 斎名 シツヒコ タチカラヲかな』ホツマ6文
『イキシニホ オモヒカネの子 ・・・ ウワハルは ヤツココロの子 ・・・ シタハルは ウワハルの弟』ホツマ20文

  • 『妹背を結ぶ (いせをむすぶ)』陰陽 (女男) を結合する。夫婦 (めおと・女男) となる。
  • 『ここ』は、ヤスカワを指す。
  • 『ヤツココロ』は「やつ (遣つ)」+「こころ (心)」で、「心を (外に) 遣ること」の意。これは「(内に留めて置くことができなくて)  心を告白されたこと」言い、「オモイカネ (思ひかね)」の同義の言い換えである。他の文献では「八意」と記されている。




『日夜見の宮の 門出宣 昔 日夜見の オモイカネ 暦 作りて ここにあり』ホツマ24文

  • 『日夜見 (ひよみ)』とは「陽陰 (日月) を得て暦を作る役職」で、後に言う「陰陽師」であり、天文・気象に関することを司る。イサワ宮の中にこれを行う「日夜見の宮」(後に言う「陰陽寮」) があったらしい。


東京都杉並区高円寺に「気象神社 (きしょうじんじゃ)」があり、ここは日本で唯一の天気に関する神社である。この社の祭神がオモイカネであるという事実は非常に興味深く、また驚きでもある。この神社が建てられた昭和19年頃に、オモイカネが「ヒヨミ (日夜見・陰陽師)」だったことを知ってる人がいたということである。



ソサノヲの狂乱のさまを恐れて、アマテルが結室に入って閉ざし、世に明暗の区別が無くなってしまった時、 ヤスカワのオモイカネは、この闇に驚き、イサワ宮に侍るタチカラヲの所へ松明に馳せ、タカマにて対策会議を開く。 (詳しくはこちらを参照。)

『ヤスカワの 闇に驚く オモイカネ 松明に馳せ 子に訪いて "タカマに議り 祈らんや"』ホツマ7文

  • 松明 (たひまつ)』は「とう (灯・燈)」+「まつ (燃す)」あるいは「ともし (灯し)」と同じと考えて良い。
  • 『タカマ』は、ここでは「中央政府の会議」の意で、今風に言えば「国会」である。具体的にはイサワ宮南殿の「橘宮 (かぐみや)」で開かれる会議である。


様々な提案がなされ色々やってみるが、アマテル神が結室から出てくる気配はない。そこでオモイカネは考えたあげく、トコヨの踊り「長咲」を踊ることした。 これがアマテルの関心を誘い、ようやく外に出てもらうことに成功する。

『深く謀りて オモイカネ トコヨの踊り '長咲' や 俳優 歌ふ』ホツマ7文
『橘の木 枯れても匂ゆ 萎れても好や 吾が妻 合わ  吾が妻 合わや 萎れても好や 吾が妻 合わ』ホツマ7文
『諸守は 結戸の前に 姦踊 これぞトコヨの "長咲" や』ホツマ7文

  • 『俳優 (わざおき)』は「技の大きなる者・技の優れたる者」の意。
  • 『吾が妻 合わ』の「合わ」は、「あふ (合う)」の名詞形で「同じ」という意。
  • 『結戸 (いはと)』は「結わえる戸」。「戸 (と)」は「とつ (解つ/閉づ)」の名詞形の簡略で「開閉するもの」の意。「口 (くち)」と同じ。
  • 『姦踊 (かしまどり)』は「姦しい踊り・騒がしい踊り」の意。「とり (踊・鳥)」の原義は「バタバタすること/もの」。


オオナムチは息子のクシヒコをコトシロヌシ (事代主)として、オオモノヌシ (大物主) の職務を代行させ、自身は知行国の出雲の開発に専心する。これによって出雲は富み、強大な国となっていった。
オシホミミの御子守オモイカネは、オオナムチが出雲へ傾倒する様はただならぬものであると感じ、監察使を出雲に派遣する。
オモイカネの「オオナムチは、天 (中央政権) に匹敵・対抗しようとしているのではないか」という予感は的中した。「このまま放置したなら、アマテル神によってようやく一つに治まった世が再び分裂してしまう。何とかその野心を捨てさせねばならない。」と思いながらも、ここにオモイカネの寿命は尽きるのであった。 (詳しくはこちらを参照。)

『先に御子守 オモイカネ シナの辞洞 アチの神』ホツマ10文

  • 『御子守 (みこもり)』病弱の皇太子オシホミミを補佐するために、オモイカネとヒルコが就いた役職。
  • 『シナ』は信濃を言う。シナは「聳・繁」の意で、「高地」を表す。
  • 『辞洞 (いなほら)』は、世を辞むために入る洞。墓穴。
  • 『アチの神』オモイカネ (斎名:アチヒコ) の贈り名。アチの神の辞洞の地は「伊那 (いな)」「阿智 (あち)」という地名 (長野県伊那郡阿智村) になったようだ。


オモイカネの後を受けて、父である7代タカミムスビのタカキネが「代の殿」に就任し、オシホミミに代わって中央の政を執ることになる。したがってオモイカネは父より先に世を去ったわけである。



参考サイト:http://gejirin.com/hotuma01.html
     :http://gejirin.com/hotuma06.html
     :http://gejirin.com/hotuma07.html
     :http://gejirin.com/hotuma10.html
     :http://gejirin.com/hotuma19-1.html
     :http://gejirin.com/hotuma20.html
     :http://gejirin.com/hotuma24.html
     :http://gejirin.com/hotuma28.html
     :http://gejirin.com/mikasa-itubun.html


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コメント
はじめまして。
この「ほつまつたゑ」のサイトは大変参考になり、いつも拝見させて頂き重宝しております。

私は信州伊那谷に住まいしながら、阿智神社の系統を調べているうちに、古代史の深みに填まってしまいました。^^

特にオモイカネについて調べていますが、

>『アチの神』オモイカネ (斎名:アチヒコ) の贈り名。アチの神の辞洞の地は「伊那 (いな)」「阿智 (あち)」という地名 (長野県伊那群阿智村) になったようだ。

・・・につきましては、私はこの説明以外には「伊那」の地名は説明できないという結論です。

これからもいろいろ教えて頂きたいと思います。
よろしくお願いいたします。
史郎 | 2013-05-25 06:07 | 編集
御預二号です。
こちらこそよろしくお願いします。

ホツマでは「カシマタチ」によってタケミナカタが諏訪の国守になった事が語られています。
しかし、オモイカネと信濃の関連については記載が無く、伊那の阿智に隠れた理由がわかりません。
オモイカネと信濃の関連についてご存知の事がありましたら、ぜひお聞かせください。
御預二号 | 2013-05-26 06:45 | 編集
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